こんにちは。東京大学物性研究所・国際超強磁場科学研究施設・小濱研究室助教の厳 正輝です。低温・強磁場・一軸応力といった極限環境下での先端物性測定を駆使し、フラストレート磁性体やらせん磁性体の新規磁場誘起相や交差相関応答の開拓を目指して研究を行っています。
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千葉県柏市柏の葉5-1-5 東京大学物性研究所A棟262号室 - 連絡先: gen[at]issp.u-tokyo.ac.jp ([at]->@)
最近の出来事やお知らせ
- 2023.10.01: 主著論文“Spin-Lattice-Coupled Helical Magnetic Order in Breathing Pyrochlore Magnets, CuAlCr4S8 and CuGaCr4S8”がJournal of the Physical Society of Japan誌に掲載されました。ブリージングパイロクロア磁性体において、低温で構造相転移を伴うらせん磁気秩序の発現を発見しました。
[J. Phys. Soc. Jpn. 93, 104602 (2024).] - 2024.09.18: 北海道大学札幌キャンパスで開催された日本物理学会秋季大会にて、EuIn2As2の磁気構造の研究について口頭発表を行いました。
- 2024.09.06: プレプリント“Crystal-field magnetostriction of the spin ice under ultrahigh magnetic fields”を公開しました。
[arXiv:2409.03673] - 2024.08.08: 共著論文“Metamagnetism and anomalous magnetotransport properties in rare-earth-based polar semimetals RAuGe (R = Dy, Ho, and Gd)”がPhysical Review B誌に掲載されました。
[Phys. Rev. B 110, 064409 (2024).] - 2024.07.19: 物性研ボウリング大会で、強磁場Aチームが団体優勝しました!
- 2024.07.16: 共著論文“Contrasting magnetothermal conductivity in sibling Co-based honeycomb-lattice antiferromagnets”がPhysical Review B誌に掲載されました。
[Phys. Rev. B 110, L041116 (2024).] - 2024.07.08: ナイメーヘン (オランダ) で開催された国際会議RHMF2024に参加し、ブリージングパイロクロア磁性体に関する口頭発表を行いました。
- 2024.07.01: 東京大学物性研究所小濱研究室に助教として着任しました。強磁場中での新規物理現象の開拓を目指して、今後もより一層頑張りたいと思います。
- 2024.06.21: 共著論文“Negative charge-transfer energy SrFeO3 revisited with hard x-ray photoemission spectroscopy”がPhysical Review B誌に掲載されました。
[Phys. Rev. B 109, 235138 (2024).] - 2024.05.09: プレプリント“Spin-lattice-coupled helical magnetic order in breathing pyrochlore magnets, CuAlCr4S8 and CuGaCr4S8”を公開しました。
[arXiv:2405.05108] - 2024.04.21: 科研費学術変革領域研究(A)「1000テスラ科学」第3回領域会議にて、採択していただいた公募研究の内容について口頭発表を行いました。また「らせん磁性体CuGaCr4S8における強磁場誘起メタ磁性と構造相転移の微視的観測」という題目でポスター発表を行い、ポスター最優秀賞を受賞しました!他の公募班の方々が、「こんな面白そうな物質があって1000テスラかけたい」という夢を生き生きと語る姿が印象的で、とても楽しい研究会でした。(研究会の様子はこちら)
- 2024.03.19: 日本物理学会春季大会にて、遍歴らせん磁性体SrFeO3の磁気弾性結合の研究について1件、ブリージングパイロクロア磁性体の結晶構造および磁気構造に研究について2件の口頭発表を行いました。
- 2023.03.12: 共著論文“Cluster rearrangement by chiral charge order in lacunar spinel GaNb4Se8”がChemistry of Materials誌に掲載されました。欠損スピネル化合物GaNb4Se8が、高温相から中間温度相への立方晶-立方晶転移においてカイラル電荷秩序を伴うクラスター再配列を起こすことを報告しています。さらにFBG法を用いた熱膨張測定によって、この相転移ではマクロな格子長変化が起こらないことを見出しました。プレスリリースはこちら。
[Chem. Mater. 36, 2993 (2024).] - 2023.03.06: プレプリント“Incommensurate broken-helix and broken-fanlike states in axion insulator candidate EuIn2As2”を公開しました。
[arXiv:2403.03022] - 2024.02.29: 令和6年度の科研費学術変革領域研究(A)「1000テスラ科学」公募研究に採択されました!研究課題名は『ヤーン・テラー活性な遷移金属化合物のスピン-軌道-格子結合に対する超強磁場効果』です。独創的な面白い成果を出せるよう精一杯頑張ります。
- 2024.02.21: 秋葉原で開催された国際会議CEMS symposiumにて、“Magnetoelastic study on the cubic itinerant helimagnet SrFeO3 in pulsed high magnetic fields”という題目でポスター発表を行いました。
- 2023.11.13: プレプリント“Rhenium oxyhalides: a showcase for anisotropic-triangular-lattice quantum antiferromagnets”を公開しました。
[arXiv:2311.06040] - 2023.10.17: 主著論文“Breathing pyrochlore magnet CuGaCr4S8: Magnetic, thermodynamic, and dielectric properties”がPhysical Review Materials誌に掲載されました。新規ブリージングパイロクロア磁性体の多結晶合成と結晶構造・磁気物性に関する報告です。低温・強磁場中で、構造相転移や誘電応答を伴う多彩な磁気相が出ることを発見しました。
[Phys. Rev. Mater. 7, 104404 (2023).] - 2023.09.19: 東北大学川内キャンパスで開催された日本物理学会秋季大会に参加しました。今回は自身の講演はなしでしたが、多くの発表を集中して聴くことができて充実感がありました。特にポスターセッションが活気付いていて、とても楽しめました。
- 2023.08.19: 共著論文“Real-space observation of ligand hole state in cubic perovskite SrFeO3”がAdvanced Science誌に掲載されました。世界初のリガンドホールの実空間観測に関する研究成果です。私は高圧合成法によるSrFeO3の純良単結晶合成と放射光X線回折実験で貢献しました。プレスリリースはこちら。
[Adv. Sci. 10, 2302839 (2023).] - 2023.08.08: 主著論文“Signatures of a magnetic superstructure phase induced by ultrahigh magnetic fields in a breathing pyrochlore antiferromagnet”がProc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.誌に掲載されました。電磁濃縮装置を用いた超強磁場下での磁化測定手法を開発し、ブリージングパイロクロア反強磁性体における特異な多段相転移の観測に成功しました。大学院時代の研究の集大成です。本研究成果は物性研ニュースでも取り上げていただきました!
[Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 120, e2302756120 (2023).]
- 2023.03.23: 日本物理学会春季大会にて、スキルミオンホスト正方格子遍歴磁性体EuAl4の共鳴X線散乱実験、および新規ブリージングパイロクロア磁性体CuGaCr4S8の磁気物性について、2件口頭発表を行いました。
- 2023.03.21: プレプリント“Breathing pyrochlore magnet CuGaCr4S8: Magnetic, thermodynamic, and dielectric properties”を公開しました。
[arXiv:2303.10671] - 2023.03.10: 共著論文“Double dome structure of the Bose–Einstein Condensation in Diluted S = 3/2 Quantum Magnets”がNature Communications誌に掲載されました。希釈磁性体のマグノンBECを、パルス強磁場実験により実証しています。平均場理論を用いて、相図を定量的にもうまく説明できています。プレスリリースはこちら。
[Nat. Commun. 14, 1260 (2023).] - 2023.03.09: 共著論文“Single crystal growths and magnetic properties of hexagonal polar semimetals RAuGe (R = Y, Gd−Tm, and Lu)”がJournal of Alloys and Compounds誌に掲載されました。新規磁性半金属の単結晶の物性報告です。
[J. Alloys Compd. 947, 169475 (2023).] - 2023.02.28: 令和5年度の科研費若手研究に採択されました!研究課題名は『正方格子遍歴磁性体における回転対称性の破れたスキルミオン相発現機構の解明』です。良い成果を出せるよう精一杯頑張ります。
- 2023.01.26: 主著論文“Rhombic skyrmion lattice coupled with orthorhombic structural distortion in EuAl4”がPhysical Review B誌に掲載されました。正方格子遍歴磁性体EuAl4は、低温・磁場下で正方格子スキルミオン相に加えて4回対称性が破れた菱形格子スキルミオン相を発現しますが、その起源はまだ理解されていません。本研究では格子自由度がスピン系に及ぼす寄与に着目し、磁場下における磁気構造と直方晶歪みの対応関係をファイバー・ブラッグ・グレーティング (FBG) 法による磁歪測定と共鳴X線散乱実験によって明らかにしました。
[Phys. Rev. B 107, L020410 (2023).] - 2023.01.24: プレプリント“Spin-lattice-coupled superstructure induced by ultrahigh magnetic fields in a breathing pyrochlore antiferromagnet”を公開しました。
[arXiv:2301.09509] - 2022.12.09: 共著論文“Magnetic-Field Induced Antiferromagnetic-Antiferromagnetic Phase Transition in Quasi-Two-Dimensional Multiferroic Material Ba2FeSi2O7”がJournal of the Physical Society of Japan誌に掲載されました。
[J. Phys. Soc. Jpn. 92, 014701 (2023).]
(2023.02.17 追記: 本論文がJPS Hot Topicsにて紹介されました!) - 2022.12.06: 横浜の産業貿易センタービルで開催された第32回日本MRS年次大会の「特徴的な結晶構造・電子状態を有する遷移金属化合物の合成・評価と機能開拓」シンポジウムにて、招待講演を行いました。
- 2022.11.24: 強磁場研究会「〜マルチプローブ強磁場測定が解き明かす強相関物性〜」にて、招待講演を行いました。
(2022.11.28 追記: 本講演にて、若手優秀発表賞を受賞しました!) - 2022.10.24: 共著論文“Dimensional reduction and incommensurate dynamic correlations in the S = 1/2 triangular-lattice antiferromagnet Ca3ReO5Cl2”がNature Communications誌に掲載されました。ドレスデン (ドイツ) の強磁場グループとの共同研究です。私は一巻きコイル装置を用いた超強磁場下での磁化測定を担当しました。
[Nat. Commun. 13, 6310 (2022).] - 2022.10.21: 10月18日〜21日にかけて、SACLAでの超強磁場X線回折実験プロジェクトに参加してきました。ずっと関わりたかった実験です。色々上手くいったり上手くいかなかったりで、充実したビームタイムでした。まだまだ発展途上中の技術開発ですね。池田さんのブログに簡単なレポートがあるので、是非ご覧ください。
- 2022.09.27: プレプリント“Rhombic skyrmion lattice coupled with orthorhombic structural distortion in EuAl4”を公開しました。
[arXiv:2209.12751] - 2022.09.23: 共著論文“Anisotropic magnetotransport properties coupled with spiral spin modulation in a magnetic semimetal EuZnGe”がPhysical Review Materials誌に掲載されました。磁性半金属EuZnGeの単結晶の物性報告です。
[Phys. Rev. Mater. 6, 094410 (2022).] - 2022.09.14: 日本物理学会秋季大会にて、スキルミオンホスト正方格子遍歴磁性体EuAl4の熱膨張・磁歪測定の結果について口頭発表を行いました (領域8)。3年ぶりの現地開催の学会で、久々に対面での研究交流ができました。
- 2022.08.26: 主著論文“Complex magnetic phase diagram with a small phase pocket in a three-dimensional frustrated magnet CuInCr4S8”がPhysical Review Research誌に掲載されました。ブリージングパイロクロア磁性体CuInCr4S8が、有限温度・磁場中にポケット状の相(A相)を持つ特徴的な温度-磁場相図を示すことを発見しました。従来物質では見出されていない機構で磁気スキルミオン相が発現しているのではないかと期待しています。磁場領域が25〜40 Tとかなり高いですが、A相の磁気構造の同定を目指して引き続き研究を進めていきます。
[Phys. Rev. Research 4, 033148 (2022).] - 2022.08.24: 8月18日〜24日に開催された国際会議LT29 (29th International Conference on Low Temperature Physics) にて、“Diverse magnetic phase diagrams in breathing pyrochlore chromium spinel sulfides”という題目でポスター発表を行いました。
- 2022.08.03: お盆休み前の最後の出張実験が終わりました。4月に入ってからSPring-8に2回、Photon Factoryに2回、JRR-3に1回に行かせていただき、量子ビームサイエンスを存分に堪能することができました。結晶構造解析の腕をますます上げていきたいところです。
- 2022.06.09: 主著論文“Enhancement of giant magnetoelectric effect in Ni-doped CaBaCo4O7”がPhysical Review B誌に掲載されました。極性磁性体CaBaCo4O7に対する元素置換で、巨大電気分極変化が増強されることを示しました。実験手法としても、①定常磁場下での熱膨張・磁歪の3軸同時測定、②パルス磁場下での磁化・電気分極同時測定を初めて実現しました。光栄なことに、Editors' Suggestionに選出していただきました。
[Phys. Rev. B 105, 214412 (2022).] - 2022.05.26: ホームページを移設しました。研究紹介などのコンテンツもこれから充実させていきたいと思います。
- 2022.05.21: 主著論文“Nematicity and fractional magnetization plateaus induced by spin-lattice coupling in the classical kagome-lattice Heisenberg antiferromagnet”がPhysical Review B誌に掲載されました。パイロクロア格子系でよく研究されてきた微視的な磁気弾性モデルをカゴメ格子反強磁性体に適用し、温度-磁場相図を詳細に調べました。スピン-格子結合が強い系では、自明な1/3磁化プラトーに加えて1/9磁化プラトーが現れることを提案しています。
[Phys. Rev. B 105, 174424 (2022).] - 2022.05.17: 共著論文“Magnetovolume Effect on the First-Order Metamagnetic Transition in UTe2”がJournal of the Physical Society of Japan誌に掲載されました。パルス強磁場で、スピン三重項超伝導体UTe2の磁歪を測定し、メタ磁性転移に伴う急激な体積減少と異方的磁歪を観測しました。Uの5f電子の価数不安定性の観点から、メタ磁性転移の起源を議論しています。
[J. Phys. Soc. Jpn. 91, 063703 (2022).]
(2022.05.27 追記: 本論文がJPSJのEditors' Choiceに選出されました!) - 2022.05.09: 共著論文“Quantum phase of the chromium spinel oxide HgCr2O4 in high magnetic fields”がPhysical Review B誌に掲載されました。クロムスピネル酸化物に対するロングパルス強磁場下での熱測定により、飽和磁場直前における新規量子相の存在を確認しました。
[Phys. Rev. B 105, L180405 (2022).] - 2022.04.01: 理化学研究所・創発物性科学研究センターの強相関量子構造研究チームに、基礎科学特別研究員として着任しました。今後は量子ビーム測定もツールに加えて、より多彩な研究を展開していきたいと思います。
- 2022.03.31: プレプリント“Enhancement of giant magnetoelectric effect in Ni-doped CaBaCo4O7”を公開しました。
[arXiv:2203.16397] - 2022.02.21: プレプリント“Nematicity and fractional magnetization plateaus induced by spin-lattice coupling in the classical kagome-lattice Heisenberg antiferromagnet”を公開しました。
[arXiv:2202.09077] - 2022.01.13: 1月11日〜13日に大阪大学へ出張し、石渡研究室の装置をお借りして高圧合成を行いました。セル作りや高圧合成装置の手入れは超強磁場実験に通じるものがあり、楽しかったです。試料も無事合成できました。
- 2021.12.22: 国際会議ICFTS (The International Conference on Frustration, Topology and Spin Textures) にて、ブリージングパイロクロア格子磁性体CuInCr4S8のテーマについてポスター発表を行いました。
- 2021.12.21: 共著論文“Physical properties of liquid oxygen under ultrahigh magnetic fields”がPhysical Review B誌に掲載されました。私は非破壊型パルスマグネットを用いた体積膨張率測定をサポートしました。測定手法がかなりトリッキーで面白いと思います。
[Phys. Rev. B 104, 224423 (2021).] - 2021.12.17: プレプリント“Complex magnetic phase diagram with a small phase pocket in a three-dimensional frustrated magnet CuInCr4S8”を公開しました。
[arXiv:2112.08990] - 2021.11.19: 共著論文“Phase transition in the 5d1 double perovskite Ba2CaReO6 induced by high magnetic field”がPhysical Review B誌に掲載されました。私は非破壊型パルスマグネットを用いた磁歪測定を担当しました。
[Phys. Rev. B 104, 174422 (2021).] - 2021.11.09: 共著論文“Effects of spin-lattice coupling and a magnetic field in classical Heisenberg antiferromagnets on the breathing pyrochlore lattice”がPhysical Review B誌に掲載されました。スピン-格子結合の強いブリージングパイロクロア格子反強磁性体の磁場中相図に関する理論論文です。私は基底状態解析を担当しました。共同研究に加えていただいた青山さんと川村先生には、大変感謝しています。
[Phys. Rev. B 104, 184411 (2021).] - 2021.09.20: 日本物理学会秋季大会にて、ブリージングパイロクロア格子磁性体のテーマで2件口頭発表を行いました (領域3)。1つ目は酸化物LiGaCr4O8、2つ目は硫化物CuInCr4S8の話で、どちらも強磁場中における新規磁気相発見に関する内容です。個人的にはかなりの力作です。
- 2021.08.24: 共著論文“Heavy carrier effective masses in van der Waals semiconductor Sn(SeS) revealed by high magnetic fields up to 150 T”がPhysical Review B誌に掲載されました。私は一巻きコイル装置を用いた光学吸収測定をサポートしました。
[Phys. Rev. B 104, 085206 (2021).] - 2021.04.01: 学振特別研究員PDとして、東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻の有馬・徳永研究室に異動しました。
- 2021.03.13: 日本物理学会年次大会にて、「強磁場磁化測定による異方的三角格子量子磁性体A3ReO5X2の磁気モデルの評価」という題目で口頭発表を行いました (領域3)。
- 2021.03.08: 主著論文“Higher magnetic-field generation by a mass-loaded single-turn coil”がReview of Scientific Instrumnents誌に掲載されました。粘土で一巻きコイルの周囲を覆うことでパルス磁場の発生効率が向上することを示した、遊び心のある研究です。
[Rev. Sci. Instrum. 92, 033902 (2021).] - 2021.02.22: 松田研の池田助教主催のFBGひずみ技術交流会 (オンライン) に参加し、「FBG歪み計測のミリ秒非破壊型パルス強磁場への応用」という題目で発表を行いました。
- 2021.01.28: 博士論文の本審査が行われ、無事に博士号の取得が決定しました。
- 2021.01.21: 第8回オンライン強磁場セミナーにて、「ブリージングパイロクロア格子磁性体における強磁場誘起相転移の研究」という題目で発表を行いました。
- 2020.10.28: 共著論文“Broad Tunability of Carrier Effective Masses in Two-Dimensional Halide Perovskites”がACE Energy Letter誌に掲載されました。私は一巻きコイル装置を用いた光学吸収測定をサポートしました。
[ACS Energy Lett. 5, 3609 (2020).] - 2020.09.11: 日本物理学会秋季大会にて、ルビーのパッシェン・バック効果の研究成果についてポスター発表を行いました (領域5)。(2020.09.25 追記: 本発表にて、学生優秀発表賞を受賞しました!)
- 2020.08.18: 主著論文“Crystal-field Paschen-Back effect on ruby in ultrahigh magnetic fields”がPhysical Review Research誌に掲載されました。ルビーのR線に対する超強磁場下での分光測定により、100 T以上で非線形な磁場依存性を観測しました。教科書『配位子場理論とその応用』(上村洸、菅野暁、田辺行人 著)を発展させた研究です。
[Phys. Rev. Research 2, 033257 (2020).] - 2020.03.21: 3月5日〜21日にドイツへ出張し、ドレスデン強磁場施設で定常磁場ESR測定をしてきました。定常磁場での実験は初めてでした。
- 2020.02.25: 主著論文“Magnetization process of the breathing pyrochlore magnet CuInCr4S8 in ultrahigh magnetic fields up to 150 T”がPhysical Review B誌に掲載されました。大小の四面体内におけるCr原子間の磁気的相互作用がそれぞれ強磁性的、反強磁性的となった新たなパイロクロア格子系に対する研究で、安定な1/2プラトー相をはじめとする多彩な磁気相を観測しました。また、超強磁場実験に加えて、古典ハイゼンベルグ模型にスピン-格子結合を取り入れた理論研究にも言及しています。とても思い入れのある論文です。
[Phys. Rev. B 101, 054434 (2020).] - 2020.02.21: 2月18日〜21日に教養学部前期課程の講義の一環で、小濱研究室にてサイエンスキャンプが開かれました。
「宝石に磁場をかけるとどうなる?」というテーマで、学部1、2年生たちと一緒に強磁場発生装置を用いた実験を行いました。 - 2019.12.05: 大阪大学で開かれた強磁場研究会にて、口頭発表を1件、ポスター発表を1件行いました。
- 2019.10.31: 主著論文“Magnetocaloric effect and spin-strain coupling in the spin-nematic state of LiCuVO4”がPhysical Review Research誌に掲載されました。スピンネマティック相の発現候補物質LiCuVO4における、パルス強磁場下での磁気熱量効果および超音波測定に関する内容です。ドレスデン (ドイツ) の強磁場グループとの共同研究です。
[Phys. Rev. Research 1, 033065 (2019).] - 2019.10.16: 個人ホームページを開設しました。